毎年1月26日は、オーストラリアでは特別な祝日です。
名前は…まんまAustralia Dayなんだけど、芸がないというか…。
そもそも、オーストラリア・デーとは?
具体的にいうと、1788年のこの日に、フィリップ提督が、シドニー湾に上陸し、現在のCustoms House にユニオン・ジャックをぶっ差したんですね。
ここから、オーストラリアは大英帝国の一部となり、本国との深い関係が始まったのです。
今でこそ世界中のあちこちからやって来ているこの国ですが、やはり国のバックボーンというか、システムというかはイギリス流。国の元首もエリザベス女王となってますしね。
これが別の国…例えば、オランダやフランスもこの地を狙っていたのでそうなったら、今とはかなり違う国になっていたんだろうな…ビールよりもワインを飲んでたり、クリケットじゃなくてサッカーが盛んだったり…なんて。
ともあれ、この日を祝うのがオーストラリア・デーで、いわば建国記念日であります。ところが…。
ちょっと待て!!
最近になって、
「おいおい、それっておかしいだろ?」という声が上がってきています。
ここは無人島ではなかったわけで、この地になが~い間住んでいた、先住民のアボリジナル・ピープルのことを全く無視しているんですよね、オーストラリア・デーは。
これまで、大した諍いもなく、平和に、そして環境に優しい(今でいう「エコな」)生活をしていたアボリジナル・ピープルにとっては、いきなりどかどかとやってきたエゲレス人は迷惑以外の何物でもありませんでした。
彼らが持ち込んだアルコール、疫病、環境を破壊する動植物の持ち込み…。
イギリス人が来なかったとしてもいずれは誰かが侵入したのは間違いないと思うし、イギリススタイルの統治機構で発展した現在のオーストラリアに住まわせてもらってる我々としても、あまり強く言えませんが、こういった背景を忘れてはいけませんね。
ラディカルなグループでは、この日をInvation Dayと呼んだり、セレモニーをやらないことを決めた自治体もあります。
僕個人の意見としては、一部の人に軋轢のある日を祝日にするのをやめ、もっとニュートラルな日に変更するのが一番いいかな、と思いますが、1月26日に思い入れのある人も多いし、まあ難しいところです。
そういった議論は(あくまでも平和的に)続けるべきだと思います。
シドニーのイベント
まあとにかく、今年もシドニーのような大都市だと、華やかなイベントが多く予定されています。
コロナ禍で感染者も激増しているのに、こんなイベントをしていてもいいんか!という意見ももっともだと思いますが、まあ、自己判断で行くかどうかを決めてください。
屋外イベントがほとんどなので、人混みを避けてマスクで防御すれば割合ローリスクかなあ、とは思いますが…
イベントの詳細は、下のリンクを見ればすぐわかりますが、補足説明をしておきます。

Dawn Reflection:オペラハウスの壁面に、アボリジナル・アートのプロジェクトマッピングが投影されます。もし早朝、5時半に起きることができれば、きれいでしょうね…。
Ferrython: 普段のんびりと乗客を運んでいるシドニー・フェリーのレースです。このレースは、1977年より続いているそうで、オーストラリア・デーではおなじみのイベントです。
Helicopter Flag Display & Fast Jet Flypast: 11:30からは、海軍のヘリコプターが巨大なオーストラリア国旗を垂らしながらハーバーブリッジのあたりを旋回します。そして、正午には轟音を響かせて空軍のジェット機が空を飛び交います。これは本当に迫力!


The Rocks & Darling Harbour: このように、イベントの多くはシドニーハーバーで行われますが、the Rocks, Darling Harbour といったエリアでは、恒例のマーケットが開かれていて、なにやら美味しそうな食べ物にありつけそうです。
Tall Ships Race: 午後1時からは、今度はTall Ship (帆船)によるレースがあります。ゴールはハーバーブリッジなので、帆をなびかせたクラシックな船を見ることができるでしょう。
Australia Day Live: オーストラリアを代表するアーティストによるコンサートが夜の7:30より9:30まで開かれます。オペラハウスの前庭に設けられた仮設席はもう満席になっているようですが、サーキュラーキー周辺のいくつかの場所にパブリックビューイングサイトが設けられるそうです。そしてコンサートの締めくくりには花火も上がるそうです!
まとめ:この日を祝うべきなの?
コロナ禍という状況だったり、先住民へのリスペクトだったりと、ノーテンキに楽しんでもよいのだろうか、と迷うようになってきたオーストラリア・デーですが、今のところは、そういう事実があるということを頭に入れた上で、何はともあれこの地に住まわせてもらってるということを感謝し、祝福する日にすれば良いのではないでしょうか。
最後に、この日の合言葉は…Happy Straya Day! です。
(オージーは、「オーストラリア」なんてしちめんどくさい発音なんかせず、「ストラーヤ」的に発音します…)
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