突然ですが、世の中ポジティブに捉えて生きていかないとやってられませんよね。
そのルールはシドニーの電車にも当てはまると思います。
特に我々日本人は、シドニーの電車に対しては、
「ったく、も~!」
と悪態をつくことが多いですが、ねえ、そんな気持ちだと人生つまらないっすよ…。
…ということで、あまり魅力のない人をお見合いに出すおせっかいなオジサンのような気持ちで、シドニー鉄道ポジティブ面について色々考えてみました!
着席乗車率の高さ
まずは、電車に乗って着席できるか?という点。やっぱり、疲れている時は座りたいですもんね…。
日本の都市圏の電車と比べれば格段に座れます。
それでもシドニーはオーストラリア最大の都市ですから、ピークアワーというのはありますが、日本のラッシュアワーと比べると、「ぬるま湯ラッシュアワー」くらいですかね?
座席がほぼ埋まり、通路に立っているひとも多いけど、その合間を縫って移動することはできる…という感じでしょうか。
そして、そのピークアワーの時間帯も、朝晩の1-2時間ほどで、それが終わるとがらりと電車は空き、座れない、ということはほぼありません。
そういえば前回日本に帰った時は、終電間近の電車でもスーツを着たサラリーマンがたくさん乗っていて、着席なんて問題外、という状況でびっくりしたなあ…。
それから、やはりオーストラリアは車社会という傾向があるので、週末の電車はかなり空いています。これも日本とはかなり違う点かな?日本の電車は、土日もけっこう混んでますよね。
…なんてことを書きましたが、実はシドニーの電車、もういつ乗っても空いてます。去年からのパンデミックのせいでロックダウンやリモートワークが進んだので、この着席率はさらに加速が付き、現在はどの電車もガラガラです。
今後はどうなるんでしょうね…?そしてその座るべき座席ですが…
転換クロスシートで快適
シドニーの電車の座席は、そのほとんどがクロスシートというやつです。座席が進行方向に向かって設置してあるやつですね。(その反対が、ロングシート)
日本の通勤電車は輸送人員が多いのでほぼロングシートですが、やはりクロスシートのほうが快適だし、外の景色も楽しめます。
そして、若干の例外を除いては座席の向きも変えられる(転換クロスシートといいます)ので、最大6名が向かい合わせで座って旅行をすることが出来ます。これは友達や家族で電車に乗る時は便利ですよね。
2階建て車両
シドニーの電車は、ほぼ全部が2階建て車両です。当たり前ですが、それだけ沢山の乗客を乗せられるという利点があります。
ところで、たくさん乗客を乗せないといけない日本でなぜ2階建て車両が少ないのでしょうか?それは、乗り降りの時間がかかるから、という理由が大きいと思います。日本の電車はタイトなスケジュールで走らせているので、車両にドアをたくさん設けてお客さんをぱっぱとさばかないと遅延につながってしまいますから。
シドニーの電車はそこまでせわしなくないので、ひと車両にドアが2つしかない2階建て車両でもやっていけるのでしょう。あ、あと多少の遅れは気にしない、No Worries! という文化(というか)があるせいかもしれません!
ダブルデッカーって、やはりワクワクしません?僕も最初にシドニーに来て2階建て車両を見たときには、おお~、カッコいい!と思いましたもん。2階の窓際に座り、ハーバーブリッジを渡りながらオペラハウスやシドニー湾の全景を眺める…これが通勤電車で可能なんですからねえ。贅沢っすよ。
ちなみにヨーロッパでもけっこう2階建て車両、多いですね。あまり本題から関係ないけど、南仏はニース近辺で走っていた通勤電車の写真を貼っておきます。基本デザインはシドニーの電車と似ているかな?それにしても、旅行行きたいなあ!

景色なんてどうでもいいよ、という人は通路の階段を降りて1階席に行くことをおすすめします。やはり人気薄なので空席を探しやすいですね。でも地面に近い車窓からの眺めがちょっと新鮮だったりで面白いですよ。
駅の建築デザイン
日本は震災や戦災があったせいもあり、あまり古い建物(駅)は残っていません。
シドニーは、ヨーロッパほど歴史はありませんが、古い駅がまだたくさん残っています。
その代表が、シドニーセントラル駅。時計塔もついているまさに「中央駅」。シドニーの鉄道のハブであり、ここからはNSW州各地、キャンベラやメルボルン、更にはダーウィン、パースまで行くような長距離列車も発着しています。

また、その他のシティの駅はアールデコ調のスマートなデザインだったり、郊外の古い駅は、レンガ造りの駅舎や待合室が、「きかんしゃトーマス」に出てくるようなデザインで可愛らしい。
そんな駅でのんびりと電車を待っていると、ちょっとタイムスリップしたような気がします。
長距離の値段が安い(ブルーマウンテン)
日本の電車は、概して初乗りは安く、まだ100円台という路線も多いですよね?ただ、距離が上がるとそれなりの値段になる傾向があると思います。
それに比べると、シドニーの電車は初乗り料金こそはちょっと驚くほど高額ですが、遠距離になると今度は安さが目立つようになります。
例えば、シドニーから、ブルーマウンテンの中心地であるカトゥーンバまでは、電車で2時間かかる距離ですが(電車の正確な距離を調べられなかったのですが、100キロ以上あります)オフピークだと$6.29で、ピークアワーでも$8.99です。
というか、シドニーの鉄道の料金計算だと、65キロ以上は一律$8.99となっているんですね。だから、それ以上の距離はどこまで行っても同じ値段!太っ腹というか、経営大丈夫なの?と心配になります。
で、もし同じ距離をJRで行くとしたら…と調べてみたら、まあ大体2,000円ほどするようです。わ、倍以上。
そして、シドニーの公共交通機関生産システムであるオパールカードを使うと、さらにお得になります。
オパールカード便利
オパールカードには、通常料金の他にさまざまな割引制度があり、その1つがDaily Cap で、1日あたりの上限額が決まっています。2021年9月現在は、$16.30。
ということは、どんだけ電車を乗り倒してもこれ以上取られないということです。日本ではXXフリーきっぷ、みたいな1日乗車券を売ってたりしますが、オパールカードは特別なきっぷを買わなくてもそのような設定になっているわけです。
なので先ほど取り上げたブルーマウンテンに日帰り旅行をした場合、電車賃は片道運賃の2倍、ではなく、$16.30ということになります。
そして、この制度は電車だけではなく、バス、ライトレール、フェリーと併せても適応されるので、観光客にとってはめちゃくちゃ便利なシステム。
特にフェリーはもとの値段が高いので、往復フェリーに乗って、ちょこっと電車に乗ったらすぐモトが取れちゃいます。
いやでも奥さん、それだけじゃないんですよ!
このデイリーキャップ、土日祝日なら更に安くなり、なんと$8.15!
これを利用しない手はないですよね。
これも、経営大丈夫かいな~、と思いますが、先にも触れたようにこちらの人は週末のおでかけには余り電車を使わないので、このようにニンジンをぶら下げて、公共交通機関を使ってくださいね、というアピールをしているのでしょう。
まとめ
さて、シドニーの電車も捨てたもんじゃない!という点をいくつか挙げてみました。
時刻の正確さ、車両や施設の清潔さ、などといった点では日本には劣るかもしれませんが、どうせ使わないといけないのなら便利な点、お得な点にフォーカスして異動を楽しみましょう!
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