「シドニーの鉄道についてどう思う?」
と、シドニー在住日本人に聞いてみたら、次のような回答が出てくるんじゃないでしょうか。
- 時間通りに来ない!
- スピードが遅い!
- 電車が汚い!
う~ん、全然ポジティブではない…。
まあ、日本人からしたらそう思うだろうなあ。そもそも日本の鉄道システムに太刀打ちできる国や都市はなかなかないだろうけど。
でも、年寄りっぽく言わせてもらうと、これでもかなりマシになったほうなんです。
ともあれ、このブログではシドニーの鉄道についても取り上げてみたいと思います!
(実は、わたくし日本にいる時はややテツ分高めでしたので…)
基本情報
シドニーの都市近郊の鉄道網は、Sydney Trains という組織によって運行されています。会社の形態は…政府系の会社、ということになるのでしょうか。筆者、そこら辺はあまり良く分かっておりません。日本の国鉄が転じてJRになったみたいな感じ?全長813キロ、8路線、150の駅があるそうです。へー、結構あるんだ。
もちろん、オーストラリアの都市では最大のネットワークです。

ちなみに、2019年に新しいネットワークである Sydney Metro という路線ができましたが、ここの路線は従来の鉄道とは色々違う点があります。おいおいこの路線についても書いてみたいですが、以下の情報は基本的に Sydney Train についてです。
まずはレール幅からいきましょうか。え、テツすぎる?まあまあ…。
ちなみに正式には「軌間」といいます。シドニーの鉄道のそれは、1435ミリとなっています。日本では、新幹線や、一部の私鉄(関東だと京浜急行とか、関西だと阪急電鉄とか)がこの幅ですよね。
ちなみにJRや多くの私鉄はそれより狭い1067ミリです。40センチって、かなり大きな差ですよね。
線路の幅が広いということは、それだけ大きな車両が作れるという事になります。ということで、お次は電車について。
車両
シドニーを走っている電車は、基本オール2階建てで、いくつかタイプはあるものの、基本設計はずっと変わっておりません。
とにかく日本のスレンダーな電車に比べると、ゴツい!外観も、ステンレスの地肌むき出しの銀色で、ドアと車体前面が警戒色として黄色に塗られていて…ザッツ・オール!と非常にシンプル。デザインだ、空気抵抗だとかそんなことは微塵も考えていないような。

ドアは、車両両端部に2つあります。いわゆる2ドア車ですね。
座席は、両端部がロングシートになっている他はすべてクロスシートで、2+3列の並び。新幹線と同じ配列。一部のモデルを除いては座席の向きを変えられる(転換シート)ので、グループで乗る時はなかなかいいですよ。
ただこの座席、ガタイの大きなオージーだとキツキツなんだよね。そして前の座席との間隔もそれほどないので、無理して設計したな、という感があります。そんなに詰め込まなくてもいいのに…。
たまにあるシナリオですが、
- 3列シートの窓際に座っていたら、通路側の席が埋まった。
- 自分が降りるべき駅が来たけど、誰も降りない!
- 「すんませ~ん」と言いながら立ち上がる
- その2人の間をずりずりとすり抜けたいのだが、デカいオッサンがいて、彼が立ち上がらないとすり抜けられない。
- ようよう通路に出るが、ここも混み合っている。
- やっとドアまで到達するが、時既に遅し、目前でドアが閉まって降り遅れる。
(ま、シドニーの電車ってそんなに混み合うことはあまり無いので大体なんとかなりますが)
こんなんだったら、座席配置を2+2列にして、通路も広くしたほうが乗り降りの不便もなくなっていいんじゃないかなあ、とずーっと思っているのですが、どうやらこのコンセプトを変える気はさらさらないようです。
そんな電車に乗り慣れて日本に帰って電車に乗ると、サイズ差のせいで自分の背が大きくなった気がします。
ちなみにブルーマウンテンやニューカッスルに行くような中距離の電車は、外観は似ていますが、中はもう少しゆったりとしていて、旅行気分を味わえますよ~。
料金
もちろん以前は紙の切符を使っていたのですが、現在ではICカードである Opal Card で精算をする人がほとんど。今でも紙の切符を買うことはできますが、値段は若干高くなります。
いや、このOpal Card すら必要なくなってきているんですよね、今は。非接触で生産できるクレジットカードであれば、それをそのまま使って改札を抜けることができるし、なんならスマホのApple Pay, Google PayでもOKです。この点に関しては日本より早かったなあ。
なので海外や他の州から来た人だって、わざわざOpal Card を買わなくても電車に乗れてしまうという利点があります。
ちなみにこのOpal Card (とそのシステム)は、NSW州ほぼすべての公共交通機関で使えるので便利です。ただ、オーストラリアの場合州ごとにシステムが違うのでそのへんは面倒です。
そしてこのOpal Card、日本のような定期券というのはありませんが、様々なディスカウント制度があります。いくつかの例は以下のようになってます:
- オフピーク割引
- 1週間で8回利用すると、9回目以降は割引料金
- 乗り換え割引
- 土・日曜割引
さて、料金は高いのか安いのか?これは一概にはいえないですが、10キロまでだと大人$3.66(ピーク時)と、かなり高くない?でも、65キロ以上だと一律$8.99(ピーク時)なので、長距離になるとお安い気がします。
色々な割引制度をうまく使うとなかなか便利なシステムです。
まとめ
どうしても日本のシステムと比べると、「まったく…」とため息をつきたくなったり、地団駄を踏みたくなることの多いシドニーの電車ですが、気にしていたらストレスが溜まるので、ここはやり過ごすのがベストの対応かな、と思います。そして、在豪20年プラスの身分で言わせてもらえば、遅々としてではありますが様々な点で改善はされているので、これからも出来の悪い子どもを育てるように(?)暖かく見守っていきたいと思います。
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