最近街の広告看板に出ている、Bank Australia. 見かけたことある人も多いかと思います。
ところで、みなさんはどのようにして銀行を選んでいます?けっこう、なんとなく…とか、昔から使っているから…という人が大半じゃないでしょうか?
僕もそんな感じで、オーストラリアに来てからずーっと(20余年か…)某大手銀行に口座を持っていたのですが、昨年思う所あってBank Australia をメインバンクにしました(なんて偉そうに書くほどの預金額じゃないけどさ)。財テクネタでもない銀行のレビューなんかを個人ブログで書く人なんてあまりいなさそうなのでちょっと紹介してみます。
あ、その前にお断りしておくと、僕はぜんぜんお金のことは詳しくありません!株とか投資とかビットコインとか…、そんなの縁ないですし、だいたいお金のことに詳しかったらコンシェルジュなんてやってないわ(好きでやってるからいいの!)。
なのでこれはあくまでも一般庶民が利用しての勝手な感想なので、そこらへんの所は4649。
まずは概要
さてこの銀行、名前だけ見るとオーストラリアを代表する銀行のようですが、普通の銀行のひとつです。前身は日本の信用金庫的なCredit Societyという種類の金融機関だったようで、現在の名前になったのは2015年のことです。
Responsible Bankingとは?
この銀行が謳っているのが、Responsible Banking。「責任感ある融資」って感じっすか。
え、よくわかんねーよ、そんなの…と思った人は…下の画面を見て下さい。

僕たちが銀行に預けたお金がどうなるかというと、銀行の金庫に眠っている…はずはなく、銀行はそのお金を他の人やビジネスに貸して、その利ざやを稼いで利益を得ているわけですよね(こんな雑な説明でいいのだろうか…まあいいや)。
で、Bank Australiaはそのお金を貸す相手を制限・吟味しているというのがウリなわけです。端的にいうと、地球環境や平和につながらない業種には融資をしない、と言っています。
石炭・石油といった化石燃料、ギャンブル、兵器、タバコ…といった産業にはお金を貸しません!かわりに、再利用エネルギー、NPO、個人ローン…といった相手にお金を貸してます!ということ。
ちょっと調べてみたら、いわゆるビッグ4と呼ばれるオーストラリアの大手銀行は、かなりの金額をこういった業界に融資をしていますね。

位取り合っているかなあ…、$35.5Billion はだいたい2.9兆円のようです。まあ、オーストラリアでは鉱業がまだまだ盛ん…というかこれで国の富を得ているので、大きな銀行はここに融資しないとショウバイにならないだろうな、というのは予想できるし、仕方ないのかな、と思います。でも、なんとかしないとどんどん環境が悪化していくのは避けられないのではないかな…銀行がもう少し融資先にプレッシャーを与えることも必要なのかな…とも思う。そんな簡単な話じゃないのは分かるけど。
そして、Bank Australia のような小さな銀行は、どうせ…と言ってはなんだけどそれほど資金も大きくないだろうから、こういった方針がどれだけ効果があるかというとちょっと疑問です。
また、オレの預金なんて本当にちょこざいなものだから、大勢に影響は…ほぼゼロだろうなあ…。でも、少なくともお金を預けるこちら側としては、自分の預けたお金がちゃんとしたポリシーに基づいて使われていたほうが気持ちがいいよな…、と思い、昨年メジャーな某銀行の口座を解約したわけです。大海の一滴かもしれないし、自己満足かもしれないけど、少なくとも気分はスッキリするので精神衛生上にはプラスです。
実際の使い勝手は?
精神衛生上には良くても使い勝手が悪かったら困るけど、不便な点はほぼありません。
小さな銀行なので支店がとても少なく、NSW州にはシドニーに一軒だけしかないので、利便性はほぼネット銀行、と思ったほうがいいですね。でもオーストラリアでは銀行に関するほとんどの事がネットバンキングで可能だから、支店に行かないとならないケースはほぼないのでこれで充分です。
携帯で使えるアプリもしっかりしているので、残高チェックや振り込みも問題なし。僕は使ったことがないのですが、コールセンターも(珍しく?)オーストラリアにあるそうです(現地雇用に貢献!)。
Bank Australia のATMはほぼ見つけられないと思うのですが、他の主要銀行のATMから手数料なしで現金を引き出せるような設定になっているので、これもほぼ不便さを感じさせません。そもそもオーストラリアではどこでもカードやケータイが使えるので、ATMを使う機会もかなり減りましたけどね。
ちょっと面白い仕組みとして、Round UPというシステムがあります。Round upというのは、端数を切り上げるという意味ですが、例えば自分が買い物をした際にカードで支払うと、その切り上げられた端数がリンクされた貯金口座に入るということ…ううむ、説明しにくいのでまたウェブサイトのスクショをします。

このように、端数が出るたびにそれが貯金されていくという仕組みです。まあ、大した額ではないけれども、チリも積もればなんとやら、ですよね。なかなかいいアイディア。
結論:使う価値ある?
ということでこのBank Australia ほぼ1年使ってますが、不便だなあ、と思ったことはありません。
ちょくちょく支店に行ったり、銀行員と相談したりしないといけない…といった人には向いていないかもしれませんが、もし気候変動やAnimal Welfareなどといった点に関心があったり、支援したいという人はこの銀行を利用することを考えてもいいと思います。
というわけで、銀行レビューでした!
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