最近、在オーストラリア日本人社会を賑わせていた(そうでもない?)
セブン・イレブンでおにぎりが売っていた!
というニュース。
実はセブン・イレブンではしばらく前から寿司ロールは売っていたのだが、今度は満を持して(?)Onigiriも売り出したという。
そもそも、僕が最初にオーストラリアに来た20年前は、もちろんテイクアウェイの寿司屋なんて存在していなかった。寿司なんて、高級和食レストランでしか食べられないものだった。
それが、いつからかなあ…たぶん21世紀に入ってから、主に韓国系の人が寿司ロールを、シティのビルの隙間のような小さなエリアで売り始めた。それがすごいブームになって、一時はシティのひとブロックに1軒はあったような。
今ではそういった個人経営のお店は淘汰されてしまい、Sushi Hub, Hero Sushiなんて名前のチェーン店があちこちに展開している。僕もたまに買うけど、ふつうに美味しい。やっぱりアジア人はごはんだよね。
そして今では、Woolworths やColesのスーパーでも普通に寿司や握りを売っている。実際に店舗の見えるところで寿司を作っているスーパーもある。はあ~、オーストラリアも変わったなあ。
でも、おにぎりはこれまで一部の和食レストランや食料品店以外では売られていなかったので、これは画期的なニュース!
ただ…残念なことに実際に食べた日本人の方の感想は、
「おにぎり売ってた!美味しかった!」というポジティブなものではなく、
「うわ、激まず!」というものが多かった。
普段コンビニで買物をするということがあまり無い筆者ですが、こうまで毀誉褒貶(一度この熟語使ってみたかった)が厳しければ気になる。実際買って食べてみた。
購入
勤務してるホテル直近のシドニー、ウィンヤード駅近くのコンビニ。売ってるのかな~、とワクワクしながらショーケースを見ると、ありました!
値段だが、おひとつ$3でございます。高っ!と思う人もいるでしょうが、そもそもシドニーではこういったテイクアウェイの食べ物は高いので、こんなものかな。幸い、他のものとセットで買うと$2!というキャンペーンのシールが貼ってあったので、比較のためにも寿司ロールと一緒に買ってみた。
種類だが、チリサーモン、ツナ、ベジタリアンとあった。とうぜんおかかとか梅干しなんてのはない。
試食
さて、仕事の休憩時間に食べてみた。
他の人が挙げていた問題点は、
- 冷えすぎてごはんがカチカチ
- おにぎりなのに酢飯
という点だった。
まず、温度だが、まあ確かに冷や~っとしている。なんでも日本のコンビニでは、ご飯ものは普通の冷蔵ケースより高めの温度で保存されているらしいが(なるほど)、まあそんな芸当はこちらのコンビニでは無理だろう。たぶん食物管理法などに反するだろうし。
ただ、僕が買ったものに関しては、冷えすぎてごはんがカチカチ、ばらばらになるという事はなかったので、買うタイミングなどもあるのかな。まだまだコンビニでお寿司やおにぎりを買う人はそれほど多くないだろうから、回転率もそれほど高くないだろうし。
まずは、ベジタリアンの寿司ロールを食べてみた。
これは、そこらへんの寿司ロール屋、スーパーなどで売っている太巻き寿司とだいたい同じクオリティ。具は、にんじん、タクワン、油揚げ、といったもので、マヨネーズで合えられている。ごはんもちゃんと炊けてるし、ふつうに美味しい。
さて、おにぎり!包装は、日本で売ってるのと同じような、真ん中のテープをピリピリと剥がすタイプ。これは、慣れていないひとにはハードル高いだろうな…。
お、ちゃんと剥がれる…と思ったら、やはり最後の方でテープが引っかかった。おそらく、ラッピングの上に貼られている原材料表示のシールが厚すぎるせいだろう。
ただ、オーストラリアでは包装物が絶対、絶対キレイに開けられない法則があるので、この地に住む人はこれに怯んでいたら3かと生活できないし、ましてや文句なんぞを言ってはいけない。そんなこと言うと強制送還されます。
そーっとフィルムを開け、なんとか海苔をぐちゃぐちゃにせずに取り出すことに成功。さてさて…。
ちらりと海苔をはがして様子をうかがうと、具はごはんの上に乗っかっていて、中には入ってない。まあ、これだって日本人的には当たり前に思うけど、自分でおにぎり作ってもわかるように、そんなに簡単な芸当じゃない。
さて、がぶり。
いや、ごはんは大丈夫。きちんと固まっている。食べた瞬間に崩壊、崩落という現象は起きなかった。
さて、酢飯問題だが…
あれ?酢…入ってる?
最初に食べた寿司ロールで舌が慣らされてしまって、よう分からん。同じご飯を使ってるのか?と食べ比べてみたが、微妙に違うような…
たぶん温度が冷えていたので余計わかりにくかったのだと思う。おそらく酢飯を使っていると思うが、そもそも寿司ロールの酢飯もそれほど酸っぱくなかったので、それほど気にならなかったというのが正直なところ。
海苔は普通にパリッとしていたし、サーモンは、ツナマヨのサーモン版、という感じでご飯によく合う味。
結論
な~んだ、ちゃんと食べれるじゃん!
というのが感想。
ただここで断っておくと、僕は在シドニー20年以上のおっさん。日本のコンビニがどれだけすげーのか、なんてこともあまり知らないわけで、そもそものスタートラインが低い。
そして食べ物に関しても、
「異文化の食べ物にも理解を示し、時刻の食文化と違うからといって拒否反応を起こさない理解のある食通」…と言いたいところだが、いや実際のところは、
「B級グルメが大好きな雑食系ブロガー(あ、これいいネーミングだな)」なので、
「誇りあるニッポン人として、和食は純粋たれ!」みたいな人にはおすすめしません。
また買うか?と言われると、うーん、どうだろ。だいたいコンビニで食べ物をあまり買わないヒトだし、やはり日のいづる国の民としては、おにぎりにわざわざ2~3ドル払って食べなくてもいいかなあ、とは思う。
ただ、深夜に小腹が減ったけど、コンビニしか開いてないな~、なんて状況なら、買うと思う。
あまりけちょんけちょんにこき下ろすほどの低レベルではなかったし、そもそもオーストラリアでおにぎりだよ?作っている人、搬送する人、売っている人の中でおにぎりを日常食べている人がどれだけいるかというとかなり疑問だし、よくやったじゃないの!と、努力賞はあげたいところだ。
将来このおにぎりがオーストラリア社会に認知されるのか、それとも淘汰されて絶滅するのか、日本のおにぎりに近づくのか、などなどを今後注視していきたいと思う。
さて、みなさん、どうでしょう?だまされたと思って買ってみてはどうかな?話のネタになることは間違いないですし。
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